片思いって、おをひくよねぇー。
片思いの人であるからこそ
長く長く年月長く・・・
私は恋いつづけてゆくのだろう
これからも、ずぅーと――
相思(あひおも)はぬ
人の故(ゆゑ)にか
あらたまの 年(とし)の緒長(をなが)く
我(あ)が恋ひ居(を)らむ
(作者未詳 巻十一の二五三四)
>>解説
男歌とも、女歌ともとれる歌。片思いだからこそ、私の思いはさめることがない。だから、恋い慕い続けてゆくのだ、と訴えている。たしかに、そうかもしれない。夫婦になれば、恋心はいつか異性への友情にかわる。しかし、遂げられぬ思いを秘めた片思いの火はくすぶりつづける。たしかに、「そうだ!」と思わされた歌であった。 |