このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-6
 

それをいったら、おしまいだよ。ホントに。

口に出して言ってしまえば
「恋」なんてうすっぺらな言葉だよ・・・
でもね、アタイはね、忘れないよ、アンタのこと。
たとえ、恋に狂って、死んじまったとしてもね――

恋といへば
薄(うす)きことなり
然(しか)れども
我(あれ)は忘れじ
恋(こ)ひは死ぬとも
(作者未詳 巻十二の二九三九)

>>解説
確かに、「恋」といってしまえば、たかがそれだけのこと。言葉などというものは、思いの万分の一も伝えてはくれない。これは、古今の哲学者と文学者が口をすっぱくして説いてい
るところだ。だから、言葉の本当の重みを知った人は、無口になる。この訳は、教養はなくても、自らの思いを正確に伝えようとした女のまごころの声として、訳してみた。


 
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