このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-7
 

ジカン、じかん、時間・・・それが問題だ。

秋の夜は
長いなんてぇ言いますけれど
溜まりに溜まった思いを
二人で語り尽くそうとすりゃ
そりゃ・・・ 短いもんですよ

秋の夜(よ)を
長(なが)しと言(い)へど
積(つも)もりにし
恋を尽(つ)くせば
短(みじか)かりけり
(作者未詳 巻十の二三〇三)

>>解説
秋の夜長、そんなものは関係ないよ、と言わんばかりの歌である。「恋を尽くす」とは、恋しく思うことが無くなるまで、語り合うことをいう。もちろん、肌のふれあいを含意することは間違いない。相思相愛の二人には、秋の夜長も短かろうものよ、というこの歌は、語らずに読み手に思わせる芸がある。秘めたエロスとまではいかないが・・・。


 
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