このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-25
 

ずぼらな男は腹が立つ、まめな男はわずらわしい。

アンタねぇ
春雨だよ――
着物がびしょびしょになるわけじゃないでしょ
まさか、七日降ったら
七日来ないてぇ気なの!
まったく!

春雨(はるさめ)に
衣(ころも)はいたく
通(とほ)らめや
七日(なぬか)し降らば
七日来(なぬかこ)じとや
(作者未詳 巻十の一九一七)

>>解説
男が女のもとを訪ねる結婚形態を「妻訪い婚」という。その場合、女はひたすら待つことになる。だから、時には怒りも爆発したのである。「春雨なんだから、濡れたって平気でしょ」という気持ちが女にはあるのである。好きな女のもとには、濡れても来るのが、「礼儀」というものである。


 
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