このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-27
 

好きな人が使っていたオーデコロン、今かぐと切ないよ。

風に散る花橘
それを袖で受けて・・・
大好きだった、大好きだったあなたの思い出として
偲んでいます

風(かぜ)に散る
花橘(はなたちばな)を
袖(そで)に受けて
君がみ跡(あと)と
偲(しの)ひつるかも
(作者未詳 巻十の一九六六)

>>解説
橘は、花を楽しみ、香を楽しむもの。散る橘の花を袖に受ければ、袖から橘の香がする。その香によって、逢えない彼氏を偲んだというのである。歌というのは、いつもミステリアスだ。どんな男か、どんな事情で逢えないのか、はたまたウソかマコトか、それは一切わからない。わかるのは、女が橘の香で、男のことを思い出したということだけである。


 
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