このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-28
 

お母さんに話すって、どうよ? 最初に彼氏のこと。

こんなにも、こんなにも
恋しくて、恋しくて
死にそうになったわたし
だからすべてを母に告げました
――そしたら、オーケーだって
――だから、安心して!
――だから、休まず通ってきてちょうだい!

かくのみし
恋(こ)ひば死ぬべみ
たらちねの
母(はは)にも告(つげ)げつ
止(や)まず通(かよ)はせ
(作者未詳 巻十一の二五七〇)

>>解説
妻訪い婚では、娘の家に男が通うことになる。その場合、第一関門は、母の承諾となる。母の許可がない限り、男は母子の住む家に通うことはできない。娘は、意を決して、母に好きな男のことを告げたのである。結果は、万万歳! 母の許しを得たのであった。してみると「止まず通はせ」は、ずいぶんチャッカリした表現というべきか。


 
HOMEデジカメ日記エッセイランド来てください、聴いてください読んでくださいプロフィール奈良大学受講生のページ授業内容の公開
マンガ研究業績おたより過去の活動サイトマップリンク集
無断転載、引用を禁止します。(C)MAKOTO UENO OFFICE. www.manyou.jp produced by U's tec