このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-30
 

ワタシって案外、フェチだったのね、と気づいたとき。

寝起きの髪でも
けさはブラッシングしないよ、ワタシ!
だって、大好きなアンタが
昨夜、腕枕して・・・
触ってくれた髪なんだもん

朝寝髪(あさねがみ)
我(われ)は梳(けづ)らじ
愛(うるは)しき
君が手枕(たまくら)
触(ふ)れてしものを
(作者未詳 巻十一の二五七八)

>>解説
まぁ、都都逸(とどいつ)のようなもの。実際に、似たものがあったように思う。朝寝髪が、乱れ髪であり、それが昨夜の情事によるものであることは、誰にでも類推できる、その上でのろけて見せるところに、この歌の芸がある。一種のフェチシズムである。それは、大好きなスターが握手してくれた自分の手を洗わないというフアン心理と同じである。


 
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