このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-31
 

「あなた任せの恋」なんていまどき骨董品かな?

あれやこれやと考えるのは・・・
もう、ヤメ!
朝露のように
消え入りそうな私の身は
あなたにすべてお任せよ――

かにかくに
物(もの)は思(おも)はじ
朝露(あさつゆ)の
我(あ)が身(み)一つは
君がまにまに
(作者未詳 巻十一の二六九一)

>>解説
朝露は、消える運命にあるはかないものの喩えである。女は、あれやこれやと考えたのだろうが、もう心の踏ん切りがついたようだ。つまり、悩む時期は、終わったというのである。だから、「今度は、アナタがどうしてくれるのかしら?」ということであろう。すべては、任せますというのだから。そういえば、古い演歌には「あなた任せ」というフレーズがよくあった。


 
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