このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-32
 

世話になった女の捨てちまうような男は、結局淋しいめにあうんだよね。

因果応報なんだから。
古着をね
ポィと捨てるような男はね
秋が吹いて、寒くなってくると・・・
さびしーい思いをしますよー。
これ、ホント!

古衣(ふるころも)
打棄(うつ)つる人は
秋風(あきかぜ)の
立(た)ち来(く)る時に
物思(ものおも)ふものぞ
(作者未詳 巻十一の二六二六)

>>解説
「古衣」が、長く付き合った女をいう譬喩であることは、疑う余地がない。「古女房を捨てるのは、簡単だけどさ、淋しい思いをするのは、結局あんたのほうじゃないのかい?」という忠告になっている歌である。訳は、女歌として作ってみた。もちろん、「これ、ホント!」は、忠告めいた口調で念を押す感じを出すために訳者がつけたものである。


 
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