このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-35
 

弁解するのは、やましことがあるからかしら?

・・明日香川を
・・明日も渡って逢いに来ますよ、必ず――
明日香川の飛び石みたいに・・・
おまえさんのことを
遠くでほっとくなんてぇことは、アリエマセン
絶対に! 絶対に!

明日香川(あすかがは)
明日(あす)も渡(わた)らむ
石橋(いしばし)の
遠(とほ)き心は
思(おも)ほえぬかも
(作者未詳 巻十一の二七〇一)

>>解説
「石橋」は、川を渡るための飛び石のこと。明日香川を渡って、女の家に通いつづけた男の歌である。男は、女から気持ちを疑われたのであろう。最近、ご無沙汰ではないかと。
対して、男は明日香川の飛び石のように、遠い気持ちは持っていないと弁解しているのである。してみると、「明日も」の「も」がよく効いていることがわかる。明日も来るよということなのである。


 
HOMEデジカメ日記エッセイランド来てください、聴いてください読んでくださいプロフィール奈良大学受講生のページ授業内容の公開
マンガ研究業績おたより過去の活動サイトマップリンク集
無断転載、引用を禁止します。(C)MAKOTO UENO OFFICE. www.manyou.jp produced by U's tec