エリートもメロメロ
選ばれた男の
プライド意識てぇやつも
俺は無くしちまったよ・・・
昼もなく夜もなく
頭にあるのは恋のことだけ――
ますらをの
現(うつ)し心も
我(あれ)はなし
夜昼(よるひる)といはず
恋ひし渡れば
(作者未詳 巻十一の二三七六)
>>解説
「現(うつ)し心」とは、現実世界を自ら律して生きる心であり、現代でいえば「正気」「意識」にあたる。反対は、夢や幻、無意識である。「現し心」が無いというのだから、簡単にいえば「メロメロ」で仕事が手につかないということである。「ますらを」はエリートなので、「ますらをの 現し心」を、エリートのプライドと翻案してみた。 |