このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-37
 

エリートもメロメロ

選ばれた男の
プライド意識てぇやつも
俺は無くしちまったよ・・・
昼もなく夜もなく
頭にあるのは恋のことだけ――

ますらをの
現(うつ)し心も
我(あれ)はなし
夜昼(よるひる)といはず
恋ひし渡れば
(作者未詳 巻十一の二三七六)

>>解説

「現(うつ)し心」とは、現実世界を自ら律して生きる心であり、現代でいえば「正気」「意識」にあたる。反対は、夢や幻、無意識である。「現し心」が無いというのだから、簡単にいえば「メロメロ」で仕事が手につかないということである。「ますらを」はエリートなので、「ますらをの 現し心」を、エリートのプライドと翻案してみた。


 
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