このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-48
 

もうここまで来たら、悩むのやーめた!

もうここまできたら
あれやこれやともう悩まない!
飛騨の匠の使う墨壺の糸じゃないけど
ただ一本道――

かにかくに
物(もの)は思(おも)はじ
飛騨人(ひだひと)の
打(う)つ墨縄(すみなは)の
ただ一道(ひとみち)に
(作者未詳 巻十一の二六四八)

>>解説
吹っ切れた思いを巧みに表現した歌。男歌とも、女歌とも取れる。「墨縄」は、墨に浸した糸を引張り、それを弾くことによって、材木に直線を引く大工道具のことである(墨壺(すみつぼ))。昭和四十年代までは、どこ大工さんも持っていた。つまり、「一直線」ということを表現したいのである。飛騨の匠は、万葉の時代から有名で、こう表現すれば誰もが、一直線、直球勝負という思いを理解できたのであろう。


 
HOMEデジカメ日記エッセイランド来てください、聴いてください読んでくださいプロフィール奈良大学受講生のページ授業内容の公開
マンガ研究業績おたより過去の活動サイトマップリンク集
無断転載、引用を禁止します。(C)MAKOTO UENO OFFICE. www.manyou.jp produced by U's tec