このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-49
 

朝まで、彼氏を待ったことある?

両袖を手に持って
床の塵を払いのけ
私はあなたを待つ
――そんな間に、月は傾いた
――もうそんな時間?

ま袖(そで)もち
床(とこ)打(う)ち払(はら)ひ
君待(きみま)つと
居(を)りし間(あひだ)に
月傾(つきかたぶ)きぬ
(作者未詳 巻十一の二六六七)

>>解説
共寝をする床の塵を払うのは、男の訪れを待つ女のたしなみ。万葉の女たちは、その長い袖で、床の塵を払って、男の訪れを待ったのであった。ところが、男は待っても来ない。月が傾き、朝が迫っているのである。しかし、訪れた男にこう歌いかければ、皮肉くりともなり、恨み節ともなろう。チクリと「こんなに待たせておいて・・・」というところか。


 
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