このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-51
 

話したからって、忘れられるもんじゃないんだよね。

忘れられるかと思って・・・
あれこれお友達と、おしゃべりはしてみたけれど
気は晴れなかったよ
――ますます恋しくなってきちゃった

忘(わす)るやと
物語(ものがた)りして
心遣(こころや)り
過(す)ぐせど過ぎず
なほ恋ひにけり
(作者未詳 巻十二の二八四五)

>>解説
男歌か、女歌かわからない歌ではあるが、今回は女歌として訳してみた。「物語りす」とは会話を交わすことをいい、友達とのおしゃべりとして訳してみた。気を紛らわそうと、話したところで気など紛れない。ただ、思いはつのるばかりだった、というのである。


 
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