このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-52
 

噂、陰口、誹謗、中傷、妬み・・・まいった!

なんだかんだ噂がうるさいときは
彼女が衣だったらいいのにねって思うよ
だったら、人目につかず
――ぴったり、一緒だもんね!

人言(ひとごと)の
繁(しげ)き時には
我妹子(わぎもこ)し
衣(ころも)にありせば
下(した)に着ましを
(作者未詳 巻十二の二八五二)

>>解説
あまりにも、うるさい陰口に自棄(やけ)になっている男の歌。そこで、女が衣だったらいいのにという発想が生まれてきたのである。下着は上着の下にあって、外からは見えないが、肌に直接触れるものである。ところで、万葉時代、恋人たちは下着を交換して、互いに身に着けていた。だから、当時は取り立てて、奇異な表現でもなかった、と思われる。


 
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