残念! もうちょっと若けりゃワタシ・・・。
おあいにくさま、ああ残念
もうワタシはおばあちゃんだよ
もうちょっと若けりゃ
アンタのために
乳母になってあげられるんだけど、ああ残念――
悔(くや)しくも
老(お)いにけるかも
我(わ)が背子(せこ)が
求むる乳母(おも)に
行(ゆ)かましものを
(作者未詳 巻十二の二九二六)
>>解説
前の歌と連作になっている歌。「残念でしたねぇ、私じゃ無理よ。アンタから見りゃ、おばあちゃんだもの」という意味である。しかし、いくつになっても異性に思われるというのは、心ときめくものである。そのあたりの感じが、歌に明るさを添えているのであろう。当時から、年上好きはいたのである。 |