このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-60
 

自分のせいで彼氏は左遷、そのとき女はどう歌う?

あなたが旅する道のりは果てしなく長い
その落ちゆく道のりを手繰り寄せ・・・
畳んで、焼いて、無くしてしまう――
天の火が欲しい!

君が行(ゆ)く
道の長手(ながて)を
繰(くり)り畳(たた)ね
焼き滅(ほろ)ぼさむ
天(あめ)の火(ひ)もがも
(狭野弟上娘子(さののおとがみをとめ)巻十五の三七二四)

>>解説
禁断の恋の果てに、流罪となった中臣宅守(なかとみのやかもり)。彼が愛した狭野弟上娘子(さののおとがみをとめ)の歌。二人が交わした歌は、巻十五の後半部に収載されている。宅守は越前に流され、二人は引き離されたのである。時に、天平十年(七三八)のことと考えられている。愛する男が向かう旅路を焼いてなくしてしまう火が欲しいという歌である。


 
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