このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-61
 

落ち込んでるときは、結局何してもだめよ。

恋に死にたけりゃ、死ぬがいいさ・・・
とでもいいたいつもりか――
ホトトギスのヤツ
こちとらが落ち込んでるときに
鳴きわめきやがる!

恋(こ)ひ死なば
恋ひも死ねとや
ほととぎす
物思(ものも)ふ時に
来鳴(きな)きとよむる
(中臣宅守(なかとみのやかもり)巻十五の三七八〇)

>>解説
中臣宅守が、狭野弟上娘子に贈った歌である。ウグイスもホトトギスも、聞く側に気持ちの余裕があってこそ、風流に聞こえるもの。聞く気のない人には、雑音でしかない。今の宅守には、そんな余裕などない。配流の先で聞くホトトギスのなど、聞く気にもなれなかったのであろう。「なんでこんな時に限って、鳴きやがって」という意を斟酌して訳してみた。


 
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