このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-66
 

同性の親友って、恋人より大切なこともあるよね?

山桜の花を
たった一目だけでも
君と見ることができたなら・・・
わたしは、こんなにも恋しがることはない
――できることなら、二人で一目!

あしひきの
山桜花(やまさくらばな)
一目(ひとめ)だに
君とし見てば
我(あれ)れ恋ひめやも
(大伴家持(おほとものやかもち) 巻十七の三九七〇)

>>解説
大伴家持が親友・大伴池主に贈った歌。この短歌は、「更に贈る歌一首」(巻十七の三九六九)という長歌に付けられたものである。親友どうしは再会を熱望し、この時期互いに書簡をやり取りしていた。時に、この歌が作られたのは天平十九年(七四七)三月三日のことである。恋人どうしでも、親友でも、二人で見たいという景色はある。一目だけでも。


 
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