「おもしろい」「たのしい」がすべての出発点ですかね
だから、今、コンパなどで学生さんから、「先生はどうして古典を読んだり、研究したりするんですか?」と聞かれたら、「ううーん。古典の授業は嫌やったけど、自分で読むようになったらおもしろくなったんやー」と照れくさそうに答えることにしています。続いて「じゃ、なんで古典の先生になったんですか?」と問われたら、「……」と照れ笑いになります。でも、なぜかわたしは古典が好きなり、今では職業にして、「先生さま」なんぞに成り上がっているんです。その上、「古典はたのしいよ」と伝えるための本まで書いているじゃありませんか。いつから、どうして、そうなったんだろうと、ふと考え込むことがあります。
どうやら「おもしろい」とか「たのしい」とどこかで思いはじめたことが出発点になっていそうです。この本では、わが青春の日々を思い出しながら、いつから、どうしてそうなったか……という自分探しをしたい、と思います。
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