このページは、上野が2006年に発表した「おもしろ古典教室」の中から1節ずつ、
本編をホームページ上で楽しんでもらうためのページです。
1週間に1度、1章分(全11回)更新します。さあ、どうぞ。

おもしろ古典教室-11[最終回:アクセスありがとうございました]
 

言葉を理解すること、心を理解しようと想像すること

 蛇足になりますが、この章の終わりにこんな話をしておきたいと思います。『荘子』の文章の内容と重ね合わせて、考えてみてください。怪我をして、ある人が「痛い!」と叫んだとします。でも、叫んだ人の痛さを、他人は経験することができません。しかし、「痛い!」という言葉から、その痛さを想像することはできます。また、状況からそれを想像するでしょう。

 やはり、言葉は言葉で、記号でしかないのです。したがって、記号である言葉の背後にあるものを、聞き手や読み手が考えたり、想像したりしないかぎり、言葉を理解したことにもならないし、本を読んだことにもならないのです。

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