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このページは、わたくし戸田久美子が上野先生が実際に活躍されている現場に潜入し、
その体験談をつづっています。
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ゼミナール |
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奈良大学 上野先生の授業に桂ざこば師匠がゲストで登場
〜2004/6/28 |
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6月28日(月)、上方落語界を代表する噺家・桂ざこばさんを招いて「いきのいいことばたち」と題する
特別講義が行われました。 |
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「マイクなしでもいけまっしゃろ」、教室の端まで十分に届く声とプロの話ぶりに、皆の視線は釘付けです。師匠・桂米朝さんとの運命の出会い、3年間住み込みの内弟子時代の話、師匠の用事、家の用事、掃除、洗濯。敬愛する兄弟子・枝雀さんとの生活など、芸の世界の奥深さ、厳しさ、華やかさを、ご本人の体験をもとに笑いを交えて話されました。
この講演で、初めて“生の落語”に触れた学生さんも多かったことと思います。落語を通して語られる、古い時代の日本人の生活習慣や礼儀、人情。普段の授業とは一味違う、ことばのリズムや響きを、存分に堪能されたのではないでしょうか。
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上野先生、大爆笑 |
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講演終了後、
学生代表よりお礼の言葉と花束贈呈 |
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桂ざこば先生
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外で待ちかまえていた学生たちに
囲まれるざこば師匠
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学生たちの嬉しそうな顔!!。
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記念撮影。
市川良哉奈良大学理事長もニッコリ。
本日はどうもありがとうございました。
特別講義は、市川良哉理事長、
鎌田道隆学長も聴講しました。 |
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学生さん・特別講義の感想
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- 自分の好きなことを見つけて、それに向かってまっすぐ進めるようになりたいと思いました。(Iさん)
- ポンポンと話のテンポは速いのに、すごく耳に入ってくるし、楽しかったです。講演で始めから最後まで、こんなに笑って、こんなに楽しかったことはありません。(Yさん)
- ばっちりパワーをいただきました。とにもかくにも、何かを始めてみようと思いました。始めたら続けてみる、自分に合っているかどうかはおのずと分かってくるのですね。前進です!(Tさん)
- 話す時の「間」が、さすがプロだなぁと思いました。さらりと話された言葉の中にも、紙の上の学問ではなく、「生きた学問」という感じがしました。(Kさん)
- ざこばさんの型にはまらない生き方がすごく面白くて、とても魅力的な人だと思いました。酔ったいきおいで、ざこばさんを呼んでくださった上野先生、ありがとうございました。(匿名)
- 落語に興味を持ちました。大変おもしろかったです。
(Yさん)
- 桂ざこば先生のしゃべり方は、大阪弁ということもありますが、とても勢いがあって、今私たちが使っているようなくずした感じの日本語とは違うものを感じました。桂ざこば先生の話し方から、言葉とは「力」だなと思えました。(Mさん)
- 一生に一度の貴重な経験になりました。1時間があっという間、迫力があって夢中で聴きました。(Kさん)
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上野先生から一言 |
「えっつ、ほんとにざこばさんが来るんですか?」と学生は当日まで半信半疑だったようだ。会場となったC-102教室には、人・人・人で、立ち見までいる。なんと200名が集まっていた。ざこば師匠とは、とあるラジオ番組でお知り合いになったのだが、本年6月の中旬に難波で再会。「せんせー、ちょっと一杯いきまひょか」というお誘いに、あつかましい私は、付いていったのである。そのあとは、ひょうたんから駒で、ほろ酔い機嫌でバーから出るときには、特別講義の話はできていた。
当日の話は、修業時代の泣き笑いを含めて、一人前になるということの厳しさが、じわりと伝わってくる話であった。忘れなよー、学生諸君。締めくくりに、こう書くと年寄りじみてくるが、ご縁を大切に、一期一会ということを私は実感した。
ざこば師匠、本当にありがとうございました! |
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ざこばさんより、学生の皆さんへ |
「我々、落語の世界では月謝を払わないんですよ、これは素晴らしいんですわ。逆にいただくんですわ師匠から。踊りの師匠なんかは月謝を取るでしょ、そやから下手でも怒らないでしょ、辞められたら困るから。よそへ行かれたら困るから。噺家なんかは、この人が来たからプラスになることはないねん、マイナスばっかりなんや。それでも弟子をおくっちゅうのは、それは自分が師匠からそうして頂いたから、自分もそれをお弟子さんにお返しするということなんですわ。」
「人がね、何時間稽古してるか、これはわからへんねん。僕も、稽古せえへん、嫌いやって言うてる、それでもするわけ。せなしゃべられへんねん、どっかで稽古してんねん。それは人に見せたくないし、見られたくない。自分は5時間稽古してる、人は3時間かなと思う。でも、3時間やからあかん、5時間やったからええってなもんやないねんね。これがまた難しいんやね。」
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取材を終えて |
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「落語を一生の仕事として選んだのは、師匠に惚れたというのもあるけど、やっぱり一発当てたいんやな。お客さんにどっと受けた瞬間には不思議な快感があってね、お客さんと自分のええ芸とがピタっと合った時のこの快感は、一度味わうとやめられへん。これは何も落語家に限ったことじゃないと思う。どの商売でも何年かやってまうとね、人には言えない魅力がきっとあるんよ。相撲取りでも野球選手でも登山家も、きっとなんか言うと思う。壁に突き当たってても辞めれないねん。因果やなこれは。どんな商売にも、いったん極めるとやめられない、ごっつい魅力があんねんね。」
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大変お忙しい中、快く取材に応じてくださりありがとうございます。
まっすぐな視線で、熱く語ってくださったざこばさんの目はとても澄んでいて、なにか言葉にできない大切なことまで教えていただけたような気がしました。
戸田久美子 |
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