大師堂もみごと。なかなか見られないよね。2月も、よい旅できたと思う。感謝だ。
よく見ると、やっぱ、ストゥパーですよね。ビルマの円塔にもやや似ている。屋根と装飾を見れば、わかりやすい。
すでに、夕方。残念なことに、拝観は外から。大塔がすごい。
真義真言宗総本山です。いまひとつ、私には覚鑁の活動がよくわからないが、教団の成立は古い。
岩出市の根来寺に。まずは、民俗資料館へ。
たぶん、祭礼の時には、格子が外せるようになっているのだろう。
浄国寺付近で見つけた。コンクリート滑り止めだが、これなら日展に出せる。
かつては、海に面していただろう。
柿本人麻呂の黒牛潟の歌の歌碑も。
万葉の「黒牛潟」は、このあたりといわれている。近世の『紀伊続風土記』の説くところでは。
なんと! でも、名前はわからない。
埋立地の屋敷地が、平行四辺形だったので、家並みが揃わず、のこぎり型の道に家が並ぶという。だから、道もご覧の通り。
まず、浄国寺の楠木が眼に飛び込んできた。
有馬皇子の墓。このあたりは、大学2年生のころの万葉研究会のテーマ。そのうち論文書きたい。
やはり、万葉学徒としては、有馬皇子の墓に詣でねば。佐々木信綱先生の歌碑が立派。
藤白神社の鳥居です。
藤白で見た、椿。
つばき色。
ここは、全国の鈴木姓の発祥とされていて、鈴木屋敷がある。熊野信仰の伝播者の家だ。現在は、整備中。
有馬皇子の終焉の地。藤白へ。まずは、藤白神社へ。
まぁ、すごい階段。足ががくがくに。
山辺赤人が表現した「常宮」はどこか。一つの候補地が、ここです。紀井東照宮。
なんと鳥が……。なんという鳥かぁ。
清浄な森の中のお社です。
なかなか、その祭祀の実態はつかめないけれど、古代において尊重されていたのが「日前神宮」「国懸神宮」。
てんてんてまりは、西條八十かぁ、と思う。
尚学と尚武の藩。そして、南海の鎮。
この石段のカーブがたまりません。どんな人が、通ったんだろう。
やはり、紀州徳川家。そして、われわれ古典学徒にとっては、本居家の紀州。
翌朝は、和歌山城へ。
家々の庭に柑橘類が植えられている。さすが、みかんの国。
ついに、名草山の山頂に。
とにかく、よく見えた。
名草山に登って、片男波を見ると、こう見えるのかぁ……と感動。
京山恭安斎の顕彰碑。一応、浪花節の祖ということになっている。
「文塚」なるものを発見。宛名不明瞭、差出不明の郵便物を祀る。つまり、配達不能のさまよえる郵便物の供養塔なのだ。揮毫は河本敏夫郵政大臣(当時)。
そして、いよいよ名草山に登る。『万葉集』の「ことにしありけり」の名草山だ。そこから見えるのは、片男波である。
護国寺の多宝塔も、みごとである。
早咲きの桜も……。
紀三井寺は、名草山の麓にある寺で、この寺も大きい。
和歌山市に入って、それから紀三井寺に向かう。
この石庭の参拝者は、上と下から見ることに。巨大なオブジェ?
桃山時代の石庭も。
この門の配置も、すごい。梅も咲いて、春だ。
紀州徳川家の庇護が厚く、近世寺院建築がすごい。下から見上げる感じ。
さらに、山門が……。この寺は、常に参拝者の見る角度が意識されていると思う。
大きな門が、お出迎え。
和歌山は、大楠ですよね。楠の杜です。
やはり、粉河寺にお参りしないと。
JR奈良からJR高田経由でゆくことに。
久しぶりに、和歌山へ。JR和歌山線で行くことに。紀の川沿いの旅をします。
セメントが乾くまえに、手形をつけてしまい。そのままになっている。これも、千年経てば文化財になるか。
文武陵の可能性が高くなっている中尾山古墳。
亀石へも。これ、ひょっとしてカエル。眼の上のウェーブが、美しい。単純な造形なのに、存在感がある。これって、現代アートでは。
石舞台古墳へも。
香具山へと続く道。
大官大寺は、「官寺」に「大」をつけた普通名詞。官寺は、ここからなのだろう。
ラジオ・ウォークの下見で、藤原から明日香へと歩く。耳成山です。
三郷町から帰る。昨秋まぼろしの学会、まぼろしの講演となった万葉学会三郷大会。まぼろしでよかったか。
そして、いよいよ龍田大社へ。よい風が吹きますように。
今は、工事中で、下からお参りした。
神奈備神社にも、お参り。「神奈備の磐瀬の社」という表現については、論文書いたっけ(『万葉文化論』ミネルヴァ書房、2018年所収)。
三郷町のマンホール。
犬養孝先生揮毫の歌碑。立派だ。小田芳寿さんの論文で有名な歌。
もちろん、万葉歌碑も。磐瀬の杜は、龍田古道を下った地にあり、ここも有名な地名であったと思われる。
万葉の磐瀬の杜を顕彰する公園。ここまでくれば、奈良県三郷町です。
野の花も。
今の亀の瀬さまざまな技術で地滑り防止、地滑り監視。
亀の瀬。亀の瀬は、地質の性格から、地滑りが起きやすい地。ここが埋まると、大和川が決壊する。大和は湖の底になるといわれている。
峠の八幡さんの下手が、辻堂のお地蔵さん。お地蔵さんだけど、坐像です。その賽銭箱の字。なんともいえぬバランス感覚の字だ。
峠の八幡さんに、お参り。
下って、下って、柏原市の峠八幡神社。トウゲの神です。
捨てられた生活。不法投棄。ものの魂に相済まぬ気がする。捨てた人のその後の人生を知りたい。
耳成山も見えます。
そして、また大阪側を見に少し戻りました。2分も、歩かないのに。
下る、下る。大和が見えます。
大和三山がばっちり見える。大和だ。見えます。見えます。丸見えですとは、203高地奪還時のセリフ。
「龍田古道の里山公園」近く、大阪側が、ここから見えます。しかし、2分歩くと大和側が――。
おそらく、万葉びとは、龍田という地名については、河内と大和を結ぶ要路としてすぐに想起できた地名であった、と思う。
今は、大谷派の光徳寺だが、圓融朝は隆盛を極める。
光徳寺から少し上がった坂。峠の集落である。
金山媛神社へお参り。
松谷を通ります。
春ですね。蝋梅です。
登る、登る、見える見える大阪平野。
前回、道を間違った龍田古道紀行。今回も、JR高井田駅から歩く。
髪染めやめる宣言――。床屋さんから、髪が傷むので髪染めやめませんかとのこと。そうかぁ、と思い、還暦だし、やめることに。少年老い易く、学成り難し。
こちらは、もう一つの還暦本。小学館から出る『教会と千歳飴』。タイトルが、まぁ尋常ではないが、日本文化論。「やんちゃ」な本になりそうだ。
造本もいい感じ。末崎光裕さんの力です。3月末、刊行。非売品です。
自費出版の『まぼろしの最終講義』のゲラ。思いは、あるよね。29年目の春だから。
この五年で、紆余曲折あるも、10キロは痩せた。でも、あと5キロは痩せないと。
結局、龍田古道紀行にはならなかったけれど、まぁ、いいか。近畿は道を間違っても、歴史古典紀行になるからね。
渡来人たちの定着地の一つですからね。古代の日本って、究極の移民国家なんだけど、そのあとの列島内での文化の成熟度が高いのですよね。島国の運命です。
もちろん、コマ神社へ。コマは「許麻」「高麗」。朝鮮半島の古代国家。
「しおじい」こと塩川正十郎先生の選挙区だったんですね。薬師寺で何度か会ったことがある。深みのある、でも少しこわいおじいちゃん、という感じ。
久宝寺寺内町を歩く。本願寺教団のフロンティアなんだ。
結局、ケーブルで下って、八尾へ。八尾市のマンホール。河内のもめん作りのイメージか?
道を間違って、高安山へ。それでもいいかぁ。伊勢の高安の女の世界だからなぁ……と思う。
横穴式墓に、線刻画がある。エコールド・パリの画家の作品でもよいのでは?
この日は、JR大和路線の高井田駅から、龍田古道紀行のつもりが、道を間違えて高安へ。まずは、高井田横穴へ。
「歌川広重『名所江戸百景』」の展覧会にゆく。
結局、ものを見てないと、学問ははじまりません。今日は、「帝国奈良博物館の誕生」を見に。コンドルと辰野金吾といったい、どんな師弟関係だったのか?
大学院生のころからの習性で、学術雑誌に名前が載ると、うれしい。研究者として、今を生きる感じする。特集で、各論者の視点は違うが、異口同音の感ある。つまり、研究が細分化するなかで、閉塞感の打破が問題に。
食レポあるある。食べてしまって、写真とれば、よかった。おいしいお肉でした。
菊水楼で塩釜焼を食べる。これを、小槌で割っていただきました。メレンゲで塩を固めるんですね。
瑜伽山園地に。ここに建つ高級ホテルに泊まることなど一生ないだろう。
もちろん、鹿も……。
春日野の梅は、万葉の梅ですからね。遣唐使も、光明皇后も見た梅ですから。
久しぶりに、春日野を歩く。狛子神社。狛近真(こまのちかざね)を祀る神社。狛は高麗で、高麗楽は、唐楽と並ぶ外国楽であった。つまり、中世まで、「コマ」の名を名乗って、彼らは楽家として生きてきたわけである。『教訓抄』読まないと。
葛城市の長屋神社。ここまでが竹内街道。すなわち「大道」である。一日5時間で、3回で竹内街道を歩き通したことに。
「トウゲ」は「タムケ(手向け)」で、古代では、サカ(坂、堺、境)。だから、歩くと見える平地が変わる。こちらは、奈良盆地です。
ついに、大和だ。
見えてきた。二上山の雄岳。もう、大和だ。
大道町の地名も残る。
孝徳天皇の大阪磯長陵。河内石川郡の「シナガ(磯長、科長)」郷。七世紀中葉の天皇家の墓が集中している。
これは、ミロの抽象画かぁ?
この街並みが……。
太子町に入る。太子町のマンホール。やはり、聖徳太子です――。
河内飛鳥は、渡来人の開発した土地ですからね。
百済からやって来た渡来人という伝承を持つ飛鳥戸一族の奉斎社。平安朝においても、氏族の紐帯だったんだぁ。
式内社が、そのままの位置にあるわけではないが、古道を歩く時には、基点となりますよね。
3回に分けての竹内街道紀行。その3回目。ここは、杜本神社。今日は、近鉄駒ヶ谷駅から歩く。羽曳野市の杜本神社にまず、お参り。